初めての美容室、ドアを開け、その一歩でお店に入るとき、いろんな気持ちが混ざった状態になっているのではないでしょうか?
- どんな美容室の雰囲気で
- どんな第一声をかけられ
- どんな美容師が担当して
- どんな髪にしてくれるだろう?
- うまく希望を伝えられるかな? くみ取ってくれる?
- 期待外れだったらどうしよう?
もうこれ書いてて、逆にこっちがギブアップしそうです
初めての美容室、かなり危険な場所ですよね
こちらも、どんな方がいらして、どんな髪質で、どんな要望をされるだろうか
納得いただける時間と髪型を提供できるだろうか、、、「あの美容室はやっと相性が良い人いた!」そう感じてもらえるのか?
私一人で運営してる小さな美容室なので、どのみち沢山のお客さまを担当することは叶いません
「ちょうどこんな美容室を探してた」
「ためしに髪お任せしてみようかしら?」
こういった発信を通じて、運よくそのような方に届けばと思います
ふだん基本的に考えているのは、「自分」がお客さまの立場だったら、どんな美容師が担当してくれたら嬉しいだろう?
私だったら、手抜きされるのはまっぴらごめんです(いま必要なことは、いま全部して欲しい)
私は距離感のコントロールが上手い人に憧れます(お仕事なんですから)
髪は生活の一部だけど全てじゃない、でも、髪良い感じにしてよ(もっと楽させてよ)
なんて思うわけです
そういう想いは、誰かとか世間ではなく、自分起点の価値観のほうがより明確ですから
だから一人で美容室なんて始めてしまったのでしょうね
その方にとって、「正しく問題が解消されて、人としての相性が良くて、なおかつ居心地の良い美容室だった」
もうそんなところ奇跡じゃないですか? この地球上にどれだけ存在するのかっていうレベルだと思います(20年以上の美容師歴でみても)
しかし、私も始めちゃった以上、願わくばそれが当店だと嬉しいっていうのはあります
ご新規の方も、常連の方も、どちらにも同じ温度で接することができるように、「お客さま お一人の状態」が個人的に最適の空間です(おそらく居心地は悪くないかと)
喋るのもいいし、喋らないのもいい、それが毎回違ってもいいじゃないですか
ここには家族も 友達も 同僚もいません、だからこそ ある種の解放感があるのかなと思います
髪に積極的な人も、積極的じゃない人もいらっしゃいます、私の方は気にしません
「あぁ人に大切にしてもらったな」「良い時間でご褒美になったな」とか「良いお金の使い方できたな~」とか、なにかしら得してほしいです
こちらだけ儲けよう、得しよう、手を抜いて楽しよう、っていうのはやっぱりダメだと思います
自分に関しては、ここをあまり美容室だと思って運営してないですし、仕事だけども肩肘張って美容師を演じる必要もないと思っています
でも人と人の付き合いだから、年齢とかに関係なく、長い間柄でも慣れ合いになってはいけない
いつも気楽に、そして安心して長く髪をませてもらえるように、対等で良い関係を築いていきたい
ちょうどいま人生後半戦の入口に立ったところなので、そういう方たちのパートナーになれたら嬉しいなと考えています
とまあ、こんな感じの人間が営んでいる場所、それがUruji(ウルジ)です
ここまで書いといて、もし私がヒステリーにいちいち嫌味を吐いたり、とんでもない髪の切り方して、あなたの時間を台無しにしたら、もうバッサリ美容師生命を終わりにします、その際はそっと店もたたみます
たしかに初めての美容室で、なおかつ一人美容室、とてもリスキーと言えるでしょう、それでも怖いもの見たさが勝る方
ご縁があれば、ひとつよろしくお願いします
